あきらの色々日記

趣味のバイクやものづくり、旅行などなど色々書く日記

三浦しをん 愛なき世界 読了

こんにちは。

 

私は普段、小説は全くと言っていいほど読まないのですが、勧められて久々に読んだら面白かったので、そのことを書こうと思います。

 

今回読んだ作品が三浦しおん愛なき世界という作品です。

 

作品概要

洋食屋で見習いとして働く藤丸君と大学院の博士課程で研究する本村さんが、ふとしたきっかけで出会い、二人を通して人間味あふれる研究室や洋食屋での生活の中で繰り広げられる人間模様が描かれている作品となっています。

全く違う世界で生きてきた藤丸君と本村さんという二人の人間がどのように交錯していくかは次のページが待ち遠しくて仕方ないような作品です。

 

 

感想

まず、この作品がとても気に入ったのは、かく言う私も大学院で研究していた身なので、研究室あるあるが色んなところに散りばめられていて、懐かしい思い出が蘇ってくるようでした。

舞台が赤門のあるT大なのですが、学生時代にここの学生ではありませんでしたが共同研究なんかで足を運んだこともあり、T大の古くも温かみのあるキャンパスがとても良く表現されていたと思います。

 

また、普通だったら交わることのない世界(研究と料理の世界)を生きる二人からの視点で物語が進むので、本村さんの研究の世界から目線はとても共感ができ、藤丸君の料理の世界の視点では、こういった研究室はそとからはこんな風に見えていたのかという新鮮さもありました。

 

途中、研究の難しい話も細かく説明されているのは中々頭が痛くなりましたが。(笑)

 

ともあれ、とても温かくて有機的な世界の物語は、現実の私が同じように過ごしていた大学院から就職して、大企業に入り、サラリーマンとして働いている私には、とても羨ましく思えてしまいました。

 

ここからは個人の話になりますが、遠からず似たような温かみのある有機的な研究室生活を送っていた私ですが、就職してもうすぐ4年を終えようとしています。

 

はじめは新しい人、新しい仕事とカラフルな世界だった会社も4年もたつと仕事もどこかルーティーンワークと化し、周りは顔なじみばかり。

いいことではあるのですが、どこか色がなくなってきてしまったように感じます。

 

加えて、今住んでいるのが国道沿いの近郊住宅街。新しく作られた住宅街は整然と並び綺麗ではありますが、どこか無機質な表情をみせます。

商店街なんてものはなく、あるの大手チェーンの店ばかり。

寺もなければ神社もない。文化の影も見えません。

 

こんな、温かみのない、色のない世界からは脱出して、この物語のような温かみのある世界に移りたいものです。

 

途中から感想ではなくなってしまいましたが、この本は素敵な温かみのある世界を見せてくれてとても面白かったです。